桃太郎侍-2007-高橋英雄
一般男性である。
特に素行が悪かったわけでもなく、普通に学生時代を過ごし、普通に就職し、普通に生活をしてたのです。
しかし、バブル崩壊を迎え、会社は倒産。
順風満帆だと思ってた私の人生は大きく狂い始めました。
学校も3流大学卒だった為、大手への再就職は年齢的に厳しく、職業安定所(現:ハローワーク)へ通う日々が続きました。
貯金も底を突きかけ、
「これはさすがにヤバイなぁ・・・」
と思ったのですが、アルバイトをするぐらいなら自分のやりたい事をしようと決意。
大学の時に入っていた演劇サークルの経験を活かす為、色んな事務所のオーディションを受けまくりました。
さすがに見た目にはきついものがあり、大手プロダクションは書類選考で落とされました。
仕送りもなく、収入もない私は家賃の支払いがやっと。食べる物もろくになく、体重もみるみる落ちていきました。
それでも諦めずいろんなところへ足を運んだ結果、
名前なんか聞いたことも無い小さな事務所に所属が決まりました。
最初は映画のエキストラやデパートの屋上のキャラクターショーのぬいぐるみの仕事など、人様に顔を覚えてもらえる様な仕事が与えてもらえませんでした。
ところがある日、石原良純プロデューサーからお声がかかり
石原良純P「あっ、そこのガリガリ君ちょっと来てくれる?」
高橋英雄「高橋です。」
石原良純P「高橋って言うんだ?メシはちゃんと食べなきゃダメだぞ?ところで話なんだがガリガリ君、冬型の気圧配置に変わると・・・」
この人は本業よりも今は天気予報にはまってるという変わったプロデューサーらしい。
どうやら寂しかったらしく、彼の天気予報のうんちくを聞いてあげてるうちに息統合してしまい、次回の時代劇の主演を張らせていただける話がもらえました。
その時代劇のタイトルは、かの有名な山手樹一郎の時代小説を現代劇風にアレンジした
桃太郎侍-2007-

今まで助演すらした事が無い私にはいきなりの大役でありますが、年齢的にもこれがラストチャンスと思い引き受ける事に。
人生どこでどうなるかわかったもんではないですね。
連日の稽古もなんとかこなしていよいよ第1話の収録である。
心臓はバクバクです。体もカチンカチンに固まっています。
監督「よーい、ハクション!!」
石原良純P「監督、前線を刺激するようなボケは止めてください。北から冷たい空気が流れ込んでくるんですから」
撮影の現場ってこんな雰囲気なのか?
現場の雰囲気にのまれるなとは良く言われたが、ここはボケた方がいいのか?
いろんな考えが交錯する中、お話は進んでいきます。
今回のお話は・・・
中国に伝わる秘宝がこの日本に持ち込まれたらしく、その秘宝を管理していた中国の闇の組織「バロックワークス社」(以下BW社とする)がこの日本に刺客を送り込んできたとの噂。
しかもその秘宝は、家具職人の私(桃太郎)が先日パチンコ屋の景品でもらった中国産の高級育毛剤だというのだ。
そして、どいうわけか(番組の構成上の都合)その情報がBS社に漏れてしまう。危うし桃太郎、どうする桃太郎!!
というお話です。
家具職人でも指折りの奇人であった私は、椅子を作らせれば右に出るものはいないと評価されるほどの腕前。
わたしの代表作には、決してオナラをしてもバレない椅子、にんにくの薄切りを使用した
にんにくすら椅子
これが大ヒットしたお陰で私の名は一躍有名に。
連日連夜、その椅子を一目見ようと店内はたくさんのお客様で賑わってたのですが、約1名浮いた客がいたのです。
見た目は30代だが背はスラッと高く、大きめのサングラスに、髪は今時のセクシーなロングの巻き髪。だけどテーシャツにジャージ姿で買い物籠を下げてるところはまるで主婦。椅子には関心がないみたいで、店内をくまなく見渡している。
そして数分見渡してから、何か買うそぶりも見せずに帰って行きました。
桃太郎「いったいなんだったんだ?だけど・・・色っぺぇ〜♪三十路主婦って危険な香りだぁ〜♪」
と、店内の賑わいもなんのその、自分の好みの女性を探すのに必死な桃太郎であった。
そして閉店時間を向かえ、店内にはお客様が居ないことを確認し、シャッターを閉めようとした時に1人のチャイナドレスを着た素敵なお姉さんが入ってきました。
桃太郎「すみません、今日はもう閉店なんでまた明日にでも・・・」
お姉さん「ごめんなさい、この椅子に座ってみてもいいかしら?」
そう言うとお姉さんはチャイナドレスのスリットの部分から綺麗な足を覗かせて来たので
桃太郎「どうぞどうぞ♪その椅子は現品限りですから、もしお買い上げいただけるのでしたら、お代は勉強させて頂きますが?」
職人とは言え、女性には優しいのです。
お姉さん「この椅子は高さの調整が出来るのかしら?」
そう質問されたので
桃太郎「はいはい、調節レバーは・・・」
そう言いつつスリットからチャイナドレスの中を覗いてみると・・・
なんと、赤いふんどしを履いていたのである。
(只者では無いな・・・)
桃太郎「お嬢ちゃん、目的はなんでぃ?」
お姉さん「あら、お話がお早いようね。例のモノを返してくれるかしら。」
桃太郎「例のモノ?さて、何の事か知らねぇなぁ。」
お姉さん「私達の組織にたてついて無事に済むと思ってるの?」
桃太郎「私達?」
そう彼女が言った瞬間、ガシャン!!っとシャッターが閉まる音と共に昼間の三十路主婦が登場。
桃太郎「おたくらグルだったのかい?」
と聞こうとした瞬間、
三十路主婦「チェ・ミン!!アンタまた抜け駆け?ちょっとやり方が汚いんと違う?」
お姉さん「ちょっとMM!!本名で呼ぶの止めてって言ってるでしょ?CMっていうコードネームで呼ぶ決まりでしょ?眠眠(ミンミン)のくせに生意気よ!?」
MM「人を中華料理屋みたいに呼ばないでくれる?」
CM「アンタがちゃんと情報仕入れてこなかったから自分で確かめにきたんでしょ?アンタ不細工な上に仕事が出来ないなんて最低ね?」
MM「アンタこそ美人な殺し屋って社内で噂されてるみたいだけど、アンタ今まで一人も人を殺してないよね?」
CM「アンタそんな性格だから同期から嫌われてるの気付かないの?スパイのクセに頭悪いんじゃない?」
と、二人のやり取りを見てると相当な確執があるみたいなので放置して帰ろうとすると
CM「ちょっと!?ちょっとちょっと!?何帰ろうとしてんの?」
やっと本題に戻る事に。
ここからが時代劇の見せ場、殺陣のシーンに入ります。
殺陣の稽古は死ぬほどやってきました。
私の歳では過酷なほどの練習量でした。
ここはバシっと決めて世間に私の存在をしらしめるんだと、意気込んだのが仇になったんでしょうね。
まずはOKシーンから・・・
高橋英雄
「ひとつ、人の世の生き血を啜り」
「ふたつ、不埒な悪行三昧」
「みっつ、醜い浮き世の鬼を退治てくれよう、桃太郎」
・
・
・
の皆さんご存知の名シーンです。
いえばここが一番瞬間視聴率が上がる場面と言っても過言ではありません。
しかし私はやってしまったのです。
高橋英雄
「ひとつ、人の世の生き血を啜り」
「ふたつ、不埒な悪行三昧」
「みっつ、醜いハゲがある・・・」
「あーーーーーーーーーーー!!」
この「あー!!」はNGに気付いての{あー!!」ではなく、殺陣に入る時に腕が肩より上に上がらなく、凄い激痛が走りました。もちろん撮影は中断で病院に行って診察を受ける事に。
診断結果
肩関節周囲炎
だそうです。世間一般で言う
四十肩・五十肩です。
もちろん、桃太郎侍は降板を余儀なくされ、石原良純Pにも
石原良純P「成功は到底無理だな。ちなみに西高東低の冬型気圧配置では、大陸に高気圧・・・」
と事務所もクビにされました。
それからというもの、職を転々とし、
高橋英雄 46歳現在
家具職人です。

-完-
お題/
めうしさん
桃太郎侍
みぃちさん
赤いふんどし
ともぴぃーさん
素敵なお姉さん
ブリッジとジョーズさん
ブサイクなスパイと美人な殺し屋の確執
リラ子さん
ガリガリ君
ピヨコさん
にんにく
kumiさん
お代
tonamiyyさん
cmとmm
セクシーな三十路主婦
ジャージをはいた三十路主婦
natuさん
50肩
ゆささん
パチンコ屋
ピヨコさん
中国産の高級育毛剤
おまけ
natuさん
天気の話しにもって行きたい石原良純
編集・監督/チビ助
出演/
桃太郎侍
家具職人のkazuさん
Copyright (C) kyouyattemasuka?
皆さん長々とご成長ありがとうございました。
今回は若干無理やりでしたね。
消化不足でしょうが、この不快感は明日の夏祭りで解消してください。
せっかく楽しみにしていただいたのにウダウダでどうもすみませんでした。
第3弾は皆さんの反響で考えたいと思います。
長文ご閲覧頂きまして、誠にありがとうございました。
それではまた明日お会いしましょう。





































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